2023年6月30日金曜日

漆掻き 2辺目

2023年6月30日(金) 曇一時霧後一時雨 

最高気温18.1℃ /最低気温13.5℃
平均湿度100%/最小湿度96%

目立て、上げ山から数えると3回目ですが、上げ山から傷を数えていくので今回は「2辺目」。時期的にそろそろかなと思っていましたが、ようやく漆の花が咲き始めていました。


       
「辺」とは漆鉋で入れる傷のことを指し、傷を連ねて漆液を採取することを「辺掻き」と呼びます。季節に応じて樹液の性質が変わるので漆の名前や作業内容も時期によって異なります。網走うるしの会では初期を「初辺」、7月下旬〜8月下旬を「盛辺」、9月初旬〜下旬を「末辺」と分け、10月は「裏目」と「止め」の作業を行います。


初辺はサラサラとした感じで水分が多いです。漆の硬化が早く、酸味のある香りがします。


霧雨があった為、表皮が湿っていましたが雨水が滴るほどではなく安堵。鎌ずりをすると問題なさそうでした。2辺目から漆を採取していきますが、盛夏に向けて採取量を増やしていくために木にダメージを与えないよう優しくヘラで漆液を掬い取ります。ヘラで辺を何度も擦らず、辺の溝に漆を一膜残すように作業を終えます。



みなさんたくさん採取できたようです。







記録:菅原咲

2023年6月23日金曜日

漆掻き 上げ山

2023年6月23日(金) 曇り

最高気温21.5℃ /最低気温16.2℃
平均湿度66%/最小湿度45%

先週は目立て、今週は上げ山と呼ばれる作業です。目立てよりも長めに3〜4cm程度の傷を入れます。「これから漆を木に作らせるための傷」です。傷をつけることで、ウルシの木自身が漆を生成するようになります。 





白味の強い漆が滲み出てきますが、まだ採取しません。木を弱らせないためでもありますが、一人の受け持ち本数が少ないため集めてもわずかすぎるという事情もあります。



最下部は、つつみ掻きをするので目立ての上下に傷を入れます。傷(辺)と傷(辺)の間隔は鉋の幅と同じかやや広く取っていきます。鎌ずり(樹皮を削ぐ作業)は、傷(辺)を入れる場所の真上だけではなく下の方も行います。やりすぎると木を痛めてしまうのでダメなのですが、つい広めに削いでしまいます…。



Hさんの木は傾斜が低い場所にありまっすぐに伸びた木が多いような印象です。



Kさんの木は林の端のほうにあり、やや太目でまっすぐに伸びた木が多い印象。樹皮は少しゴツゴツしていそうです。



Tさんの木は土地の低いところから傾斜の高いところを一直線に登るように点在しています。葉の茂っている木が多い印象です。みなさん、梯子をかけて木の片面に7〜9箇所ほど辺掻きできるように仕立てています。



これは記録の菅原の木ですが、幹の中に筋が入っていてあまり漆がでなさそうな雰囲気です。鉋を入れてもガツガツと硬いものに当たるような感覚があります。



記録:菅原


2023年6月19日月曜日

漆掻き 目立て

2023年6月16日(金) 晴一時曇り

最高気温22℃ /最低気温15℃
平均湿度80%/最小湿度62%

目立てを行いました。昨年は7月1日に行ったので、今年は2週間早いスタートです。まだ新芽や若葉が多く、天ぷらや茶葉にするために収穫するメンバーもいました。


目立ては、できるだけ短く傷をつけます。木に刺激を与えて、漆を作り出させる役目を持っています。この目立ての位置が、これから辺(傷)を伸ばしていく基準になるため、樹形や節、枝、幹の割れを鑑みて作業していきます。


記録の菅原は、短く適正な深さの傷をつけることが難しかった為、少し長め(3〜4cm)に傷を入れて鉋を引き上げる時に力を入れてしっかり鉋の刃が入るように作業しました。(傷の深さは鉋の仕立て方や身体の使い方など技術あってこそだと思いますので悪しからず)


場所によってゴツゴツした樹皮の木が多く、鎌ずり(皮を剥ぐ作業)に苦労しました。必要以上に鎌ずりしてしまったり、黄色の木肌が見えてしまっていたりするので改善したいところです。


網走うるしの会では、週に一度(7日ごと)メンバーでまとまって漆掻きをするので、目立ての間隔は1尺です。採取後は伐倒するので幹の二面(両側)に傷を入れていく「殺し掻き」を行っています。




ベテランメンバーの目立ては、傷が短く作業も早いです。


林の中を歩いていると凍裂によるものなのか、木の片面が裂けてしまったものがありました。元気に葉をつけていますが漆は取れるのでしょうか。気になります。

来週は上げ山です。
熱中症に気をつけて頑張りましょう!


記録:菅原咲



2023年6月18日日曜日

網走漆林 下草刈り

2023年 6月11日(日)  C地区下草刈り


網走うるしの会6名+1名(記録の私は仮払い機がないため戦力外…)が参加。C地区までの入り口は傾斜のある山道なので草をかき分け、刈り取りながら進み、広い敷地をきれいにしました。

刈り取る草はササやスゲの類が多い印象。漆の萌芽もあちこちにあるので注意しながら刈っていきます。現在、漆採取のために網走うるしの会で保育管理している林はC地区のみで新たな植栽は行っていません。貴重な場所です。



日差しが強く暑さを感じる中、2〜3度休憩を取りながらの作業となりました。9時前に開始して12時ごろ無事終了しました。




下草刈り終了後は、漆掻きに参加する4名で木の選定。一人5本程度、状態の良い木を選んでいきます。蟻が這っていないか、根本や幹に割れはないか、葉は茂っているか、などチェックしていきます。

C地区は山間に広がる緩やかな斜面に植栽されているので、小高い場所の端にある漆は冷たい風が当たるようで凍裂による割れやゴツゴツとした樹皮が多く見受けられました。



みなさん、お疲れさまでした!


記録:菅原 咲

2023年6月6日火曜日

擦りうるし 

 

by hoshito   豆小鉢
by matsushita  



by nakajima
手作り皿にバーニングの絵付け
漆でどの様に変化するか  楽しみ