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漆掻きが始まりました。

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今年も漆掻きの季節がやってきました。 会長のHさんと、事務局の菅原の2名で山に入っています。 初日の6月13日(金)、漆掻きを行う木の選定と「目立て」と呼ばれる準備作業を行いました。 目立ては、できるだけ短く傷をつけて 木に刺激を与え、漆を作り出させる役目があります。 この目立ての位置が、これから辺(傷)を伸ばしていく基準になるため、樹形や節、枝、幹の割れを鑑みて作業していきます。 目立て 漆の花の蕾がついていました。 その後、A・B地区の様子を確認してきました。 A地区は谷地で、奥に沢があるため、立ち枯れしている木が多く見られました。まるで野付半島のトドワラのようです。 一方、道路沿いの手前のエリアには、萌芽したウルシが密に生い茂っており、活力のある様子でした。 奥の木が枯れています。 手前は萌芽が茂っています。 B地区は山の斜面に植栽されており、傾斜はややきつめですが、奥には太めの木も見られ、今後に向けて原木本数の確認をしていきたいと所です。 画像の真ん中あたりがウルシの木です。

漆植栽地の下草刈り

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  6月7日(土)、山里C地区で会員6名が下草刈りを行いました。 曇り時々雨の空の下、 作業は9時に開始し、昼頃に無事終了。 作業内容としては、原木や幼木の周辺と通路全体を整備しました。 作業後は漆林の見通しが良くなり、株元や足元の風通しも良好に。ウルシの木には若葉が茂り、辺りにはエゾハルゼミの鳴き声が響いて、オホーツクもいよいよ初夏です。 作業後は新たな植栽候補地の視察も行い、植栽の計画は今後詰めていくことにして解散しました。 ご参加いただいたみなさん、おつかれさまでした。 これからも、安全第一で活動を続けてまいりましょう。

2025年度定期総会を開催しました。

2025年6月5日(木)、網走うるしの会の工房にて今年度の定期総会を開催しました。 今年度は16名の参加があり、和やかな雰囲気の中で無事に議事を終えることができました。 総会では、前年度の活動報告や会計報告に加え、今年度の活動計画案や予算案について協議しました。 提案された内容はすべて承認され、今年度は新たな植栽計画や網走うるしの周知活動(植栽地見学会)のほか、漆塗りの作品づくりや発表を通して「北限の網走漆」の文化発信に励んでいきます。 網走うるしの会は、今年で創設35年、会員数は今年度から29名となります。 網走市内や近郊市町の会員が多いですが、遠くは岩手県二戸市、札幌市、旭川市、釧路市に在住する会員や、様々な事情で活動が難しいながらも会員として当会の趣旨に賛同し支援をしてくださっている方もおられます。この場を借り、感謝申し上げます。 網走うるしの会では、漆林の保全・育成に関心のある方や網走漆と関わりながら作品づくりに取り組んでみたい方のご参加・ご支援を随時受け付けております。 どなたでもご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

網走うるし見学会レポート 後半

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午後は、漆ギャラリー&珈琲れんかにて昼食会を開きました。 れんかさんは、店主ご夫妻が天然素材である漆の魅力に感動し、その素晴らしさに触れられる場として開いたお店です。お食事は、生産者との繋がりを大切にし、身体に優しい食材と調理法で提供されており、この日も美味しいランチをいただきました。 ギャラリーに展示している網走うるしの会 会員の作品 おもに拭き漆という技法で仕上げています。 昼食後は、網走うるしの会の会員であり、「野つけうるし」という屋号で漆の仕事をしている筆者(菅原)が、漆の基本的な植生や特徴についてお話ししました。 ウルシはどのような木なのか? どこに生えているのか? 世界の漆と日本の漆、その自給率は? 樹液(漆)の特徴とは? 漆掻きのプロセスについて これらの基本的な内容に加え、塗りに使用する生漆や弁柄漆、塗り刷毛やヘラ、漆掻き道具などもご覧いただきました。 漆は天然の塗料ですが、日本ではその多くが人の手で育てられ採取されています。また、漆塗りの道具も職人の手によって作られています。数多の仕事に共通することではありますが、漆や漆塗り道具がどれほど自然環境と人の手に依るものなのか、参加者の皆さんにも感じていただけたのではないでしょうか。 今回は、漆の木を中心に見学しましたが、今後はその樹液がどのように使われるのか、漆塗りについても知っていただける機会があればと個人的に思います。使う人あっての漆です。漆塗りについて知ることで、漆をより身近に感じていただけるかもしれません。 最後になりますが、雨がパラつき肌寒い中ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました! また、準備や当日のサポートに尽力いただいた会員の皆さんもお疲れさまでした。美味しいお食事と素敵な場所をご提供くださったれんかさんにも、心より感謝申し上げます。 記録:菅原

網走うるし見学会レポート 前半

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 9月15日(日)に網走うるし見学会を開催しました。今年は、当会でもまだ漆を見たことのない会員さんを中心に参加を募り、昨年ご参加いただいた方とのご縁で、 NPO法人創成塾 の方々もセミナーの一環としてご参加いただきました。 当日の行程は、漆植栽地と漆掻きの見学、網走市の南公園にあるウルシ記念樹の見学、そして漆ギャラリー&珈琲れんかにて昼食会と漆のお話会という内容で、網走の漆に触れる充実した一日となりました。 参加者の多くは網走在住の方や、仕事で網走に関わっている方々で、地元に北限の漆が存在することや、漆掻きという独特な採取方法に驚かれたようです。 漆植栽地では、ウルシの木の植生や特徴について解説しながら、葉や実の形、漆掻きの跡を観察しました。   当日は、網走うるしの会のHさんが漆掻きの実演を、Tさんが漆掻き体験を担当してくださいました。Hさんは一つ一つの動作について丁寧に説明し、Tさんも漆の魅力や性質について語りながら体験をサポートしてくれました。 当会から一人、創成塾さんからも一人が漆掻きを体験し、まさに「漆の一滴、血の一滴」を実感されたのではないでしょうか。   網走市の南公園にはウルシ記念樹があります。その歴史については 、 安政五年(1858年)から万延元年(1860年)頃にかけて本州から移植されたものであり、函館奉行所が会津より取り寄せたとされています。また、 このウルシ樹林地は、所有者の網走市名誉市民・中川イセ氏のご好意により平成十年に網走市に寄付されたものでもあります。 詳しくは記念樹に設置されている看板の文章からご覧いただけますので、ぜひ足を運ばれてみてください。 南公園の立て看板 後半へつづく

【ご案内】網走うるし見学会 2024

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昨年の見学会の様子   9月15日(日)網走うるし見学会を開催 します。 漆掻きの実演やウルシの木を見て回りながら、漆文化に触れる見学会です。 漆掻き体験(かぶれても構わない方限定)もあります。 漆林にまだ行かれたことのない網走うるしの会メンバーをもちろん、このブログをチェックしてくださっている方もご興味ありましたらご連絡 ください。 ______________________ _______________ 網走うるし見学会 日時・集合場所 2024年9月15日(日) 午前9時 感動の径ビューポイントパーキング集合 感動の径ビューポイントパーキング 網走市豊郷 https://goo.gl/maps/BmnpyJoFFfzwZ2zt8 漆山を見学してから南公園ウルシ記念樹を見に行きます。 その後、昼食会と漆の話会も用意していますのでご都合に合わせてご参加ください。 漆山に入れる程度の霧雨等の場合は、漆山での実演・体験は行わず見学のみ実施します。雨天判断のご連絡は【前日〜当日8時半頃まで】に差し上げます。 ※当日の問合先:05053729335(菅原) 雨天の場合 雨天時は10時半から、うるしギャラリー&珈琲 れんかで漆の話会と昼食会を行います。参加希望の方は8/31迄にお申し込みください。漆の話会が終わり次第、昼食会となります。 ・講師:菅原咲    塗師・網走うるしの会 会員 ・場所:うるしギャラリー&珈琲 れんか 網走市呼人122-10 ・食事代(コーヒー付き) : 1900円 当日集金 問合・申込先 網走うるしの会 菅原、または事務局へご連絡ください。 漆山見学後の昼食会と漆の話会も参加を希望される場合は、8/31までにお申込みください。 事務局 溝渕  abashiri.urushinokai@gmail.com/090-9756-7120 会員 菅原 urushi.okhotsk@gmail.com/050-5372-9335       スケジュール 9:00 感動の径ビューポイントパーキング 集合 集合後、車移動5分 9:15 網走漆植栽地C地区 到着 漆山を見学・体験 11:00 次の見学場所へ 車移動20分 11:30 網走市南公園 到着 ウルシ記念樹を見学 12:00 昼食・話会の会場へ車...

漆掻き 上げ山

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 2024年6月21日(金) 曇り一時雨 最高/最低気温20.0/11.9℃ 平均/最小湿度93/74% 先週は目立て、今週は上げ山と呼ばれる作業です。目立てよりも長めに3〜4cm程度の傷を入れます。「これから漆を木に作らせるための傷」です。傷をつけることで、ウルシの木自身が漆を生成するようになります。  白味の強い漆が滲み出てきますが、まだ採取しません。木を弱らせないためでもありますが、一人の受け持ち本数が少ないため集めてもわずかすぎるという事情もあります。 漆の出方は昨年に比べてどの木も良好のようです。気候の影響もあるのでしょうか。今年は暖かい日(オホーツクにしては暑いくらいの気温)と雨の肌寒い日が交互にやってくるような印象です。   途中、雨がパラつき蒸しましたが2時間ほどで作業終了。漆はまだ採らないので早めに終わりました。代わりにわらびをゲット。 記録:菅原咲