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網走うるし見学会レポート 後半

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午後は、漆ギャラリー&珈琲れんかにて昼食会を開きました。 れんかさんは、店主ご夫妻が天然素材である漆の魅力に感動し、その素晴らしさに触れられる場として開いたお店です。お食事は、生産者との繋がりを大切にし、身体に優しい食材と調理法で提供されており、この日も美味しいランチをいただきました。 ギャラリーに展示している網走うるしの会 会員の作品 おもに拭き漆という技法で仕上げています。 昼食後は、網走うるしの会の会員であり、「野つけうるし」という屋号で漆の仕事をしている筆者(菅原)が、漆の基本的な植生や特徴についてお話ししました。 ウルシはどのような木なのか? どこに生えているのか? 世界の漆と日本の漆、その自給率は? 樹液(漆)の特徴とは? 漆掻きのプロセスについて これらの基本的な内容に加え、塗りに使用する生漆や弁柄漆、塗り刷毛やヘラ、漆掻き道具などもご覧いただきました。 漆は天然の塗料ですが、日本ではその多くが人の手で育てられ採取されています。また、漆塗りの道具も職人の手によって作られています。数多の仕事に共通することではありますが、漆や漆塗り道具がどれほど自然環境と人の手に依るものなのか、参加者の皆さんにも感じていただけたのではないでしょうか。 今回は、漆の木を中心に見学しましたが、今後はその樹液がどのように使われるのか、漆塗りについても知っていただける機会があればと個人的に思います。使う人あっての漆です。漆塗りについて知ることで、漆をより身近に感じていただけるかもしれません。 最後になりますが、雨がパラつき肌寒い中ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました! また、準備や当日のサポートに尽力いただいた会員の皆さんもお疲れさまでした。美味しいお食事と素敵な場所をご提供くださったれんかさんにも、心より感謝申し上げます。 記録:菅原

網走うるし見学会レポート 前半

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 9月15日(日)に網走うるし見学会を開催しました。今年は、当会でもまだ漆を見たことのない会員さんを中心に参加を募り、昨年ご参加いただいた方とのご縁で、 NPO法人創成塾 の方々もセミナーの一環としてご参加いただきました。 当日の行程は、漆植栽地と漆掻きの見学、網走市の南公園にあるウルシ記念樹の見学、そして漆ギャラリー&珈琲れんかにて昼食会と漆のお話会という内容で、網走の漆に触れる充実した一日となりました。 参加者の多くは網走在住の方や、仕事で網走に関わっている方々で、地元に北限の漆が存在することや、漆掻きという独特な採取方法に驚かれたようです。 漆植栽地では、ウルシの木の植生や特徴について解説しながら、葉や実の形、漆掻きの跡を観察しました。   当日は、網走うるしの会のHさんが漆掻きの実演を、Tさんが漆掻き体験を担当してくださいました。Hさんは一つ一つの動作について丁寧に説明し、Tさんも漆の魅力や性質について語りながら体験をサポートしてくれました。 当会から一人、創成塾さんからも一人が漆掻きを体験し、まさに「漆の一滴、血の一滴」を実感されたのではないでしょうか。   網走市の南公園にはウルシ記念樹があります。その歴史については 、 安政五年(1858年)から万延元年(1860年)頃にかけて本州から移植されたものであり、函館奉行所が会津より取り寄せたとされています。また、 このウルシ樹林地は、所有者の網走市名誉市民・中川イセ氏のご好意により平成十年に網走市に寄付されたものでもあります。 詳しくは記念樹に設置されている看板の文章からご覧いただけますので、ぜひ足を運ばれてみてください。 南公園の立て看板 後半へつづく

【ご案内】網走うるし見学会 2024

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昨年の見学会の様子   9月15日(日)網走うるし見学会を開催 します。 漆掻きの実演やウルシの木を見て回りながら、漆文化に触れる見学会です。 漆掻き体験(かぶれても構わない方限定)もあります。 漆林にまだ行かれたことのない網走うるしの会メンバーをもちろん、このブログをチェックしてくださっている方もご興味ありましたらご連絡 ください。 ______________________ _______________ 網走うるし見学会 日時・集合場所 2024年9月15日(日) 午前9時 感動の径ビューポイントパーキング集合 感動の径ビューポイントパーキング 網走市豊郷 https://goo.gl/maps/BmnpyJoFFfzwZ2zt8 漆山を見学してから南公園ウルシ記念樹を見に行きます。 その後、昼食会と漆の話会も用意していますのでご都合に合わせてご参加ください。 漆山に入れる程度の霧雨等の場合は、漆山での実演・体験は行わず見学のみ実施します。雨天判断のご連絡は【前日〜当日8時半頃まで】に差し上げます。 ※当日の問合先:05053729335(菅原) 雨天の場合 雨天時は10時半から、うるしギャラリー&珈琲 れんかで漆の話会と昼食会を行います。参加希望の方は8/31迄にお申し込みください。漆の話会が終わり次第、昼食会となります。 ・講師:菅原咲    塗師・網走うるしの会 会員 ・場所:うるしギャラリー&珈琲 れんか 網走市呼人122-10 ・食事代(コーヒー付き) : 1900円 当日集金 問合・申込先 網走うるしの会 菅原、または事務局へご連絡ください。 漆山見学後の昼食会と漆の話会も参加を希望される場合は、8/31までにお申込みください。 事務局 溝渕  abashiri.urushinokai@gmail.com/090-9756-7120 会員 菅原 urushi.okhotsk@gmail.com/050-5372-9335       スケジュール 9:00 感動の径ビューポイントパーキング 集合 集合後、車移動5分 9:15 網走漆植栽地C地区 到着 漆山を見学・体験 11:00 次の見学場所へ 車移動20分 11:30 網走市南公園 到着 ウルシ記念樹を見学 12:00 昼食・話会の会場へ車...

漆掻き 上げ山

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 2024年6月21日(金) 曇り一時雨 最高/最低気温20.0/11.9℃ 平均/最小湿度93/74% 先週は目立て、今週は上げ山と呼ばれる作業です。目立てよりも長めに3〜4cm程度の傷を入れます。「これから漆を木に作らせるための傷」です。傷をつけることで、ウルシの木自身が漆を生成するようになります。  白味の強い漆が滲み出てきますが、まだ採取しません。木を弱らせないためでもありますが、一人の受け持ち本数が少ないため集めてもわずかすぎるという事情もあります。 漆の出方は昨年に比べてどの木も良好のようです。気候の影響もあるのでしょうか。今年は暖かい日(オホーツクにしては暑いくらいの気温)と雨の肌寒い日が交互にやってくるような印象です。   途中、雨がパラつき蒸しましたが2時間ほどで作業終了。漆はまだ採らないので早めに終わりました。代わりにわらびをゲット。 記録:菅原咲

漆掻き 目立て

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2024年6月14日(金) 曇り 最高/最低気温12.3/9.5℃ 平均/最小湿度93/82% 木の選定と目立てを行いました。今年は3名での漆掻きです。一人5本掻いていきます。 昨年もこの時期(6月16日)から漆掻きが始まりましたが、今年は暖かい日は30度近くまで気温が上がるような日もあり、すでに漆の花の蕾がついていました。去年に比べて今年はたくさん成っています。 目立ては、できるだけ短く傷をつけます。木に刺激を与えて、漆を作り出させる役目を持っています。この目立ての位置が、これから辺(傷)を伸ばしていく基準になるため、樹形や節、枝、幹の割れを鑑みて作業していきます。厳しい環境下で樹齢を重ねているため、ゴツゴツした樹皮の木が多く、鎌ずり(皮を剥ぐ作業)に苦労しました。 網走うるしの会では、週に一度(7日ごと)メンバーでまとまって漆掻きをするので、目立ての間隔は1尺です。採取後は伐倒するので幹の二面(両側)に傷を入れていく「殺し掻き」を行っています。 来週は上げ山です。 熊と蜂に気をつけて頑張ります。 記録:菅原咲

漆植栽地の下草刈り

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 6月8日に漆植栽地の下草刈りを行いました。 場所は網走市山里にあるC地区とB地区。午前9時から始まり12時ごろ終了しました。参加者は7名で、うち1名は本数計測、残る6名が刈払機で草を刈っていきます。 植栽地C地区は山間の上の方にあり日当たりの良い場所です。毎年、漆を採取しています。B地区は同じ山間でも下の方にある道路脇の場所で、草刈りを担当されたTさん曰く、いくつかの木は良い太さになっているそうです。 この日、気温の予想は26〜27℃くらいでお昼にかけて暑くなっていきました。ハルゼミの声もたくさん聞けて、いよいよ漆掻きシーズンインです。 記録:菅原

塗り 擦りうるし 

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                                by  kokubun                                  by kusaka    胡桃の手彫り