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網走産漆がすすきの女衆神輿の修復に貢献

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北海道帯広市で漆芸品製作と修復の仕事をなさっている間野亨さんが、網走産の漆を使って、札幌すすきの女衆神輿を修復されました。 この神輿は、昨年夏にすすきの観光協会から依頼があり、今年7月26日に無事引き渡しが行われたそうです。今回の修復は完全修復(※1)ではなかったため、網走産の生漆200gを木固め(※2)や下地に使用。中塗りと上塗りにも国産漆が使われています。 ※1すべて部材を木地の状態に戻してから行う修復作業 ※2 素地に生漆を吸い込ませて水分の浸み込みを少なくする工程 修復された神輿は、夫婦神輿の「すすきのコンコン神輿」とともに、飲食店「 北の味 大助 (おおすけ)」の店内に展示されています。すすきのに立ち寄った際は、ぜひご覧ください。 間野さんからは、「錆(下地)として使用した場合の乾燥時間や固さなどを知ることができて貴重な体験となりました。今後も(網走うるしの会の)皆様の活動の支障とならない範囲で、網走漆の使用を考えていきたい」とのご感想をいただきました。 間野さん、お写真をお送りいただき、どうもありがとうございました! 完成品 網走産生漆 国産漆各種 屋根の木固め 置き台の錆つけ 呂色磨き、箔押し、彩色が終わり金具取り付け

漆掻きが始まりました。

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今年も漆掻きの季節がやってきました。 会長のHさんと、事務局の菅原の2名で山に入っています。 初日の6月13日(金)、漆掻きを行う木の選定と「目立て」と呼ばれる準備作業を行いました。 目立ては、できるだけ短く傷をつけて 木に刺激を与え、漆を作り出させる役目があります。 この目立ての位置が、これから辺(傷)を伸ばしていく基準になるため、樹形や節、枝、幹の割れを鑑みて作業していきます。 目立て 漆の花の蕾がついていました。 その後、A・B地区の様子を確認してきました。 A地区は谷地で、奥に沢があるため、立ち枯れしている木が多く見られました。まるで野付半島のトドワラのようです。 一方、道路沿いの手前のエリアには、萌芽したウルシが密に生い茂っており、活力のある様子でした。 奥の木が枯れています。 手前は萌芽が茂っています。 B地区は山の斜面に植栽されており、傾斜はややきつめですが、奥には太めの木も見られ、今後に向けて原木本数の確認をしていきたいと所です。 画像の真ん中あたりがウルシの木です。

漆植栽地の下草刈り

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  6月7日(土)、山里C地区で会員6名が下草刈りを行いました。 曇り時々雨の空の下、 作業は9時に開始し、昼頃に無事終了。 作業内容としては、原木や幼木の周辺と通路全体を整備しました。 作業後は漆林の見通しが良くなり、株元や足元の風通しも良好に。ウルシの木には若葉が茂り、辺りにはエゾハルゼミの鳴き声が響いて、オホーツクもいよいよ初夏です。 作業後は新たな植栽候補地の視察も行い、植栽の計画は今後詰めていくことにして解散しました。 ご参加いただいたみなさん、おつかれさまでした。 これからも、安全第一で活動を続けてまいりましょう。

2025年度定期総会を開催しました。

2025年6月5日(木)、網走うるしの会の工房にて今年度の定期総会を開催しました。 今年度は16名の参加があり、和やかな雰囲気の中で無事に議事を終えることができました。 総会では、前年度の活動報告や会計報告に加え、今年度の活動計画案や予算案について協議しました。 提案された内容はすべて承認され、今年度は新たな植栽計画や網走うるしの周知活動(植栽地見学会)のほか、漆塗りの作品づくりや発表を通して「北限の網走漆」の文化発信に励んでいきます。 網走うるしの会は、今年で創設35年、会員数は今年度から29名となります。 網走市内や近郊市町の会員が多いですが、遠くは岩手県二戸市、札幌市、旭川市、釧路市に在住する会員や、様々な事情で活動が難しいながらも会員として当会の趣旨に賛同し支援をしてくださっている方もおられます。この場を借り、感謝申し上げます。 網走うるしの会では、漆林の保全・育成に関心のある方や網走漆と関わりながら作品づくりに取り組んでみたい方のご参加・ご支援を随時受け付けております。 どなたでもご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。