2023年12月19日火曜日
2023年9月30日土曜日
網走うるし見学会レポート
網走うるし見学会 が9月10日に無事終了いたしました。
当日は植栽地で漆掻きを見学後、希望者のみ漆掻き体験を行いました。
私(菅原)も案内役として漆とは云々とカンペを用意していたのですが、必要なことはすべて網走うるしの会メンバーのみなさんがお話しくださり、自らも楽しむような時間となりました。うるしの会のみなさんもお疲れさまでした。
植栽地を見学後、少し移動して網走南公園(車止内:クルマトマナイ)のウルシ記念樹を見て、網走市呼人にある漆ギャラリー&珈琲れんかで一服といった大充実の一日に。
柵の向こうにあるウルシの木 |
告知をして参加者を募る形での見学会は、実は初めての試み。SNSで消耗してしまうことも多い今日この頃ですが、今回はSNSを通じて参加のご連絡をいただいたり、関心を寄せてくださる方がいらっしゃったりとありがたい出会いばかりでした。私たちが知らないだけで、ウルシに興味を持ってくれている人がいるんだな、とパワーをいただき「やってよかった」と心から思えています。
現在、植栽地に関わるメンバーは7名程。アラウンド古希の頼もしすぎる先輩方に囲まれていますが、私(アラサー)と同世代の仲間も作れたら、と個人的な思いもありつつ…。もちろん老若男女問いませんのでシニアもヤングもご興味ありましたら、いつでもお声がけください。冬の間も共同工房では漆を使った制作ができますよ。→ 昨年の制作の様子
今年の漆掻きはそろそろ終わりが見えてきました。また見学会をやるとしたら来年になるでしょう。今回、参加できなかったみなさんにも再びご案内できるよう力を尽くせたらと思います。
2023年8月2日水曜日
【ご案内】 網走うるし見学会
9月10日(日)網走うるし見学会を開催します。
※開催予定だった8月27日の回は延期とさせていただきました。ご予定くださったみなさま、申し訳ございません。
見学会では、漆掻きの実演と説明、希望者のみ漆掻き体験(かぶれても構わない方限定)を行います。
北限の漆と関わりを持ちたいと思ってくださる方や活動について知りたい方にこのご案内が届けば嬉しく思います。漆林にまだ行かれたことのない網走うるしの会の会員の方々もぜひご参加ください。お申し込みをお待ちしております!
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網走うるし見学会
◎日時
2023年9月10日(日) 10時から 雨天延期
※8月27日の回は延期とさせていただきました。
◎場所
網走漆植栽地C地区(網走市山里)
◎お申し込み 9月5日(火)締切
【一般の方】
野つけうるしの菅原へご連絡ください。
メール urushi.okhotsk@gmail.com
電話 050-5372-9335
そのほかSNS等のDMからもお問い合わせいただけます。
【網走うるしの会 会員の方】
事務局または菅原へご連絡ください。
〈事務局 溝渕〉
メール abashiri.urushinokai@gmail.com
電話 090-9756-7120
〈会員 菅原〉
メール urushi.okhotsk@gmail.com
電話 050-5372-9335
◎移動手段
お申込み後、集合場所と集合時間をお知らせします。
◎持ち物・装備
・長靴、または登山靴
下草で道が険しかったり泥濘んでいることがあります。前日が雨天だと下草が濡れていて履き物がすごく濡れるので気をつけてください。
・長袖、長ズボン
虫がいるので気温が高い場合も長袖必須。
暑い場合は通気性の良いものを選んでください。
※可能であればインナー、タイツ
アブやダニに噛まれないよう、長袖長ズボンの下に一枚着ていると安心です。
・首元を隠すタオルや手拭い
アブやダニに噛まれないよう肌を隠すと安心です。
・帽子
・飲み物(水分補給用)
・虫除けスプレーやハッカ油、蚊取り線香など
・日焼け止めやクリームの塗布
万が一、漆に触ってしまった場合、肌に油膜があった方が漆かぶれがましになる可能性が出てきます。お守りがわりに塗っておくことをおすすめします。
◎漆かぶれや怪我があった場合
案内役の会員一同、細心の注意を払いますが、万が一の場合、医療費は自己負担でお願いいたします。また、網走うるしの会としてレジャー保険等の一日保険加入は行いませんのでご了承ください。
◎雨天の場合
当日朝までに延期のご連絡をいたします。振替日は未定です。
◎お問い合わせ
事務局、または会員の菅原までお願いいたします。
・事務局 溝渕 abashiri.urushinokai@gmail.com/090-9756-7120
・会員 菅原 urushi.okhotsk@gmail.com /050-5372-9335
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当日は会員の菅原が案内役を務めさせていただきます。漆林に入り始めてまだ4年目で至らない点もあるかと思います。おおらかな心と山歩きを楽しむような気持ちでご参加いただけますと幸いです。
2023年7月28日金曜日
漆掻き 6辺目
2023年7月28日(金) 晴れ
最高気温29.1℃ /最低気温21.6℃
平均湿度86%/最小湿度68%
漆掻き6辺目は目サシを全開まで伸ばして、いよいよ盛漆に突入です。
目サシや辺の長さの伸ばし方についてはこちらの投稿をご覧ください。
※経口補水液の分量:水500ml、砂糖15g (スティックシュガー5本)、塩1.5g (ふたつまみ)、レモン汁 大さじ1(後味がよくなる)
収量は143.5g /6本(23.9g/本)で前回(74g)と比べておよそ倍まで増えました。滲み出てくる漆の色は、初夏の白味の強い乳白色から変わって茶色味を帯び、少しとろみが出てきました。目サシを全開まで入れているので、急いで漆を掻き集めないとどんどん垂れ落ちていきます。
掻きとる作業の流れは個人でちがいますが、私は3本掻きとったら1本目の木に戻って掻き溝に溜まった漆を採ってまわり、4本目の掻きとりへ移ります。6本目が終わったら3本目へ戻る、といった流れです。
漆の出方がよい木とさほどの木があるので一様にこの通りではありませんが、本数が少なく作業の手も遅いので、今年はこのリズムで取り組んでみています。土地柄による木の性質や掻き子さんによって作業の流れは異なるそうです。
記録:菅原咲
2023年7月21日金曜日
漆掻き 5辺目
2023年7月21日(金) 晴れ
最高気温23.5℃ /最低気温17.6℃
平均湿度81%/最小湿度65%
漆掻き5辺目は目サシを辺に対して三分の二、入れました。
目サシや辺の長さの伸ばし方についてはこちらの投稿をご覧ください。
収量は74g /6本(12.3g/本)と少なめですが、前回は雨が近かったからか収量が一気に増えたのかもしれません。
漆鎌は研がずに作業へ望みましたが、研いで切れる状態を知ると作業のやりづらさを感じるようになりました。本数が少ないので大丈夫かも、と淡い期待を抱きましたが、樹皮が硬いので刃の消耗が大きいのかもしれません。ラバー付き軍手の指先も漆がついてグリップが弱くなっていたので次回は新しいものに変えようと思います。
前回から梯子の高さを変えました。梯子が高すぎて、漆を掻く場所と階段が被ることがあり不便だったので、手が届く一番上の高さに梯子のてっぺんが来るように2段ほど切り落としました。
梯子を切る前 |
梯子を切った後 |
記録:菅原咲
2023年7月17日月曜日
漆掻き 4辺目
2023年7月17日(月)
最高気温18℃ /最低気温14.8℃
平均湿度96%/最小湿度90%
いつも漆掻きをする曜日は、有志メンバーが集まれる金曜日ですが、先週7/14(金)は局所的に小雨がパラつき作業を断念。先週、漆鎌の研ぎ方や鉋溝の適切な深さをしっかり教えてもらい張り切っていたので意気消沈。翌週、月曜日の午後に単独で作業しました。
漆掻きは4辺目。辺の長さが最大限になりました。
今回から「目サシ」を三分の一、入れていることもあり収量は前回(7/7)の倍となりました。
収量は100g /6本(平均16.6g/本、初辺)でした。
この時期の漆は、水分が多くスーっと流れ落ちていくような質感です。乾き(硬化)も早く、漆鉋を入れてから瞬く間に溝にたまった漆が黒々と変色していきます。網走産の漆はどの時期の漆も乾きが早めなのでなおさらです。
掻いていた木で蝉がゆっくり登っていきました。これから羽化するようです。
この日はアブやスズメバチ(に似たアカウシアブ?)も多くいて、何度も作業の手を止めながらの漆掻きでした。夕方には雨が降り出したのでそのせいでもあるのでしょうか…?
記録:菅原咲
2023年7月7日金曜日
漆掻き 3辺目
2023年7月7日(金) 晴時々曇一時雨
最高気温21.8℃ /最低気温16.1℃
平均湿度84%/最小湿度70%
漆掻き3辺目。8月の最盛期に向けて採取量を増やすために、3〜4辺目で辺の長さをほぼ最大まで伸ばし、辺の長さに対して3分の1(または1cm)だけ「目サシ」を入れます。目サシとは、漆鉋で掻き溝を入れた後、掻き溝の中央に溝と平行になるよう切り込みを入れることです。これにより漆液の滲出が増えます。
表皮が厚いため、鎌ずりを丁寧に行います。表皮を剥ぎすぎると内樹皮(黄色の木肌)が出てきてしまいます。この部分の露出が多いと木が弱るそうです。
下の画像の木は、漆の出方が芳しくなく、内樹皮と形成層まで縦に硬い筋が入っています。
この日は、鎌ずりがうまくできず掻き溝が浅いままだったので、ベテランTさんから鎌の研ぎ方や適切な掻き溝の深さを改めて教わりました。
これまで鎌研ぎには、木工道具の刃物を研ぐための砥石(200×60mmくらいのサイズ)を使っていたのですが、ホームセンターにもある鎌用の小さい砥石の方が良いそうで、実際に買って使ってみると刃のつき方や作業効率が良くなりました。
鎌は硬い樹皮を剥ぐため、すぐに切れなくなるのですが「光に当ててみて、刃が潰れていないか」「指で刃を触って、刃返りが取れているか」「指への刃の当たり方(研げている感じ)」を確認すべし、だそうです。研いだあと、新聞に鎌を当てるとスーっと切れるくらいまで研ぐとも伺いました。
残念ながら私の採取量は伸びませんでしたが、参加メンバーの中には5本で100g越えも…!
記録:菅原咲
2023年6月30日金曜日
漆掻き 2辺目
2023年6月30日(金) 曇一時霧後一時雨
最高気温18.1℃ /最低気温13.5℃
平均湿度100%/最小湿度96%
目立て、上げ山から数えると3回目ですが、上げ山から傷を数えていくので今回は「2辺目」。時期的にそろそろかなと思っていましたが、ようやく漆の花が咲き始めていました。
「辺」とは漆鉋で入れる傷のことを指し、傷を連ねて漆液を採取することを「辺掻き」と呼びます。季節に応じて樹液の性質が変わるので漆の名前や作業内容も時期によって異なります。網走うるしの会では初期を「初辺」、7月下旬〜8月下旬を「盛辺」、9月初旬〜下旬を「末辺」と分け、10月は「裏目」と「止め」の作業を行います。
初辺はサラサラとした感じで水分が多いです。漆の硬化が早く、酸味のある香りがします。
霧雨があった為、表皮が湿っていましたが雨水が滴るほどではなく安堵。鎌ずりをすると問題なさそうでした。2辺目から漆を採取していきますが、盛夏に向けて採取量を増やしていくために木にダメージを与えないよう優しくヘラで漆液を掬い取ります。ヘラで辺を何度も擦らず、辺の溝に漆を一膜残すように作業を終えます。みなさんたくさん採取できたようです。